この記事で解決できるお悩み
伊坂幸太郎ってなにから読めば良いの?
たくさんありすぎて選べない…
順番とかあるの?
結論から言うと、一部シリーズものは順番に読むのがおすすめですが、基本的には何から読んでもOKです。といいつつ、伊坂幸太郎作品は数十冊あるので、選べない気持ちもわかります。
なのでこの記事では、最初に読むべき1冊×10パターンを紹介します!
シリーズ作品の第一作はすべて紹介するので、この10冊から読めば「シリーズものと知らずに2作目を読んじゃった…」という事態を避けられますよ。
\PR:少しだけ宣伝させてください!/
- どれだけ読んでも月額980円!
- 200万冊以上の小説・ビジネス書・漫画・雑誌etcが読み放題
- スマホ・タブレット・専用端末…いつでもどこでも楽しめる!
※Amazon公式サイトに移動します。
伊坂幸太郎の最初に読むべき作品10選
伊坂幸太郎初心者が最初に読むべき作品はこちら!
- ゴールデンスランバー
- グラスホッパー
- 終末のフール
- 死神の精度
- 重力ピエロ
- アヒルと鴨のコインロッカー
- オーデュボンの祈り
- 砂漠
- 逆ソクラテス
- 陽気なギャングが地球を回す
一冊ずつくわしく紹介していきます。
ゴールデンスランバー
初版 | 2007年 |
ページ | 690P |
出版社 | 新潮文庫 |
メディア | 映画 |
受賞歴 | 第5回本屋大賞 第21回山本周五郎賞 このミステリーがすごい!2009年1位 |
あらすじ
平凡な男・青柳雅春は、突然日本の首相暗殺犯として追われることになる。
無実を主張する暇もなく、国家権力に追い詰められた青柳。誰が、何のために彼を罠にかけたのか?真相を求め、必死で逃げる青柳の前に立ちはだかるのは、巨大な陰謀と追手たち。
信じられるのは、いったい誰?緊迫の逃亡劇が、いま幕を開ける!
ココがおすすめ
- 伊坂幸太郎の代表作。迷ったらコレ
- 日本・韓国で映画化
- 止まらないハラハラ感
『ゴールデンスランバー』は、青柳雅春が首相暗殺の冤罪をかけられ、国家権力に追われる壮絶な逃亡劇です。何も知らないまま犯人にされ、必死に逃げ回る青柳の姿に、気づけば手に汗握ること間違いなし。
追手たちは常時では考えられないほどの強行策(すぐに銃を撃ってくる!)を駆使してくるなか、青柳は無事逃げ切れるのか?誰が彼を陥れたのか?読み進めるほどにスリルと驚きが押し寄せてきます。
スリルを味わいたい方はもちろん、人間ドラマを楽しみたい方にもおすすめの一冊です!
次に読むなら
『重力ピエロ』
『ゴールデンスランバー』に並ぶ代表作!
グラスホッパー
初版 | 2004年 |
ページ | 角川文庫 |
出版社 | 345P |
メディア | 映画 |
あらすじ
妻を殺された鈴木は、復讐を誓い闇の世界に足を踏み入れる。しかし復讐の相手は、目の前で「押し屋」という殺し屋によって殺害されてしまう。
鈴木が押し屋の正体を探るべく後を追うなか、時同じくして自殺専門の殺し屋「鯨」、ナイフ使いの「蝉」も押し屋を置い始める。
異なる運命を背負った彼らの生と死が交錯し、鈴木は復讐は予想外の展開を迎える。息詰まるスリルと予測不能な展開に、ページをめくる手が止まらない!
ココがおすすめ
- 『殺し屋』シリーズ第一作!
- 伊坂幸太郎らしい群像劇
- 「殺し屋」なのに好きになっちゃう
『グラスホッパー』は、伊坂幸太郎作品のなかでも屈指の人気を誇る「殺し屋」シリーズの原点となる作品です。
殺し屋という名前からグロテスクで重めな作品を想像するかもしれません。しかし殺し屋シリーズは、緊迫した展開もありながら、独特のユーモアを感じる殺し屋同士の会話も魅力。
人間を殺害している怖い人たちのはずなのに、読み終える頃には"推し"の殺し屋を見つけちゃうんですよね。
スリルとユーモアの絶妙なバランスは伊坂幸太郎作品の特徴でもあるので、伊坂ワールドを知るための入門書としてピッタリの一冊だと思います!
殺し屋シリーズ
- グラスホッパー
- マリアビートル
- AX
- 777 トリプルセブン
殺し屋シリーズを読む順番は?結論:刊行順がベスト【伊坂幸太郎】
続きを見る
終末のフール
初版 | 2006年 |
ページ | 384P |
出版社 | 集英社文庫 |
メディア | ドラマ(Netflix) |
あらすじ
8年後、地球は小惑星の衝突で滅びる──そんな終末が決まった世界で、仙台の小さな団地に住む人々は、何を思い、どう生きるのか。
家族を失った男、出産を控える夫婦…。残されたわずかな時間の中で、絶望と希望が交錯する。
終わりが決まった世界で、人はどこまで強く、優しくなれるのか。人間の本質に迫る、心揺さぶる物語。
ココがおすすめ
- 終末を前にした人々の連作短編集
- 終わりが見えているからこその始まり
- ちょっと疲れているあなたへ
『終末のフール』は、「8年後に地球に小惑星が衝突する」と告知されてから5年後、つまり終末が3年後に迫った世界を描いた連作短編集です。
人類の終末が決まり、誰もが絶望し、社会は一時的に崩壊します。それでも残された時間を生きるためには、"普段通り"の暮らしも必要になり、やがて人々は少しずつ日常を取り戻していきます。
極限の状況下で浮き彫りになる人間の弱さや強さ、そして人と人とのつながりの大切さを感じる作品です。
ちなみに伊坂幸太郎作品は、伊坂さんが住んでいる仙台を舞台にした作品が多くあります。きっとあなたも仙台に行きたくなるはず!
次に読むなら
『死神の精度』
同じく生と死を描いた連作短編集!
死神の精度
初版 | 2005年 |
ページ | 345P |
出版社 | 文春文庫 |
メディア | 映画 |
受賞歴 | 第57回日本推理作家協会賞短編部門 |
あらすじ
死神・千葉の任務は、人間を1週間観察して「死」を見極めること。死ぬべきか否かを判断する彼が出会うさまざまな人々。
冷静に仕事をこなしていく千葉が、時に意外な決断を下す理由とは? 音楽好きな死神が繰り広げる、ユーモアと感動が詰まった、生と死をめぐる物語。
ココがおすすめ
- 死神が主人公の連作短編集
- 「死」があるからこそ光が見える
- ファンタジー要素のある作品が好きなあなたへ
『死神の精度』の主人公はなんと死神。死神の千葉は、対象者を7日間を観察して、「死」を実行するか判断する仕事をしています。
死神といえば暗い印象がありますが、千葉の仕事の対象となるのは極悪人ではなく、ありふれた人々。千葉が観察を経て「もう少し生きても良いよ」といった判断を下すハートフルな物語、でもなく、千葉は基本的に死を実行する「可」の判断を下します。
誰にでも訪れる死と、最期の日を知らずに今日を生きる姿を描いているからこそ、読者は今目の前の人生を歩んでいく希望を抱くことができるんです。
個人的に、雨の日は必ずこの作品を思い出すほど心に強く残っている作品です!
次に読むなら
『死神の浮力』
続編となる一冊!(僕はまだ読めていないのですが、、、)
重力ピエロ
初版 | 2004年 |
ページ | 485P |
出版社 | 新潮文庫 |
メディア | 映画 |
あらすじ
兄・泉水と二つ下の弟・春、優しい父と美しい母の家族は、過去に辛い出来事を抱えていた。
年月が経ち、兄弟が大人になった頃、連続放火事件が起き、火事を予知するかのような謎のグラフィティアートが現れ始める。兄は、この不思議なアートと遺伝子の法則との奇妙なつながりに気づき、謎を解くために動き出す。
そして彼がついに直面する衝撃的な真実。事件の行方、兄弟が歩んでいく道とは――
ココがおすすめ
- 伊坂幸太郎を語る上では欠かせない作品
- 兄弟の絆
- 一生忘れない書き出し
「伊坂幸太郎といえば?」といった質問がされた場合、『ゴールデンスランバー』とともに多く名前があがるであろう代表作。物語は、一度読んだら決して忘れない、印象的な文章で始まります。
春が二階から落ちてきた。
伊坂幸太郎『重力ピエロ』(新潮文庫)
僕はもうこの一文で虜になってしまいました。兄弟愛に目頭が熱くなる、ずっしりとした読み応えのある一冊です!
次に読むなら
『フーガはユーガ』
同じく兄弟の絆を描いた作品!
アヒルと鴨のコインロッカー
初版 | 2003年 |
ページ | 384P |
出版社 | 創元推理文庫 |
メディア | 映画 |
受賞歴 | 第25回吉川英治文学新人賞 |
あらすじ
引っ越したばかりのアパートで出会ったのは、悪魔のような印象を持つ長身の青年だった。初対面にもかかわらず、彼はいきなり「本屋を襲わないか?」と提案してきた。そのターゲットは、なんとたった1冊の広辞苑!
そんな奇妙な話に乗る気はまったくなかったのに、気がつけば決行の夜、モデルガンを握りしめて書店の裏口に立っていた。
ココがおすすめ
- 一度読んだら忘れない設定
- 過去と現在。2つのパートが絡み合い…
- 結末に驚きたいあなたへ
「広辞苑を盗むために本屋を襲う」
一度でも本作を読んだことがある方は、この設定を一生忘れないのではないでしょうか。
大学生の椎名の視点で描かれた「現在」と、まったく関わりのない女性・琴美の視点で描かれた「二年前」。2つの物語が少しずつ絡み合い、伊坂作品のなかも随一の衝撃的な結末を迎えます。
ボブ・ディラン「風に吹かれて」を聞きながら、世界観に浸ってみてください!
次に読むなら
『ホワイトラビット』
同じく衝撃的などんでん返しのある作品!
オーデュボンの祈り
初版 | 2000年 |
ページ | 464P |
出版社 | 新潮文庫 |
受賞歴 | 第5回新潮ミステリー倶楽部賞 |
あらすじ
コンビニ強盗に失敗して逃げていた伊藤は、気がつくと見知らぬ島・荻島にたどり着いていた。
江戸時代から外界との接触を絶たれたその島では、嘘ばかりを言う画家、「島の法律」によって殺人が許可された男、人間の言葉を話す「未来が見える」カカシなど、奇妙な住人たちが暮らしていた。
翌日、カカシがバラバラにされ、頭部が持ち去られる事件が発生する。未来を見通せるはずの彼が、なぜ自らの死を避けられなかったのか?
ココがおすすめ
- 伝説のデビュー作
- 個性的すぎる登場人物
- 映像化不可能?
今では新作が出るたびに話題になる伊坂幸太郎さんのデビュー作。正直、伊坂作品はどれも面白いので、デビュー作から順番に読んでいくのもアリ。
デビュー作は「作家のすべてが詰まっている」と言われますが、本作も「リアルとファンタジーが交錯する世界観」や「ウィットに富んだ会話」といった伊坂作品の特徴が表れています。
現代の日本とは思えない不思議な島で暮らす魅力たっぷりのキャラクターたちが、あなたを待っています!
次に読むなら
『ラッシュライフ』
デビュー2作目!
砂漠
初版 | 2005年 |
ページ | 512P |
出版社 | 実業之日本社文庫 |
あらすじ
大学に入学した北村は、個性豊かな仲間たちと出会う。彼らと過ごす日常は笑いに溢れていたが、やがて社会の理不尽さや自分自身の未来に直面する。
悩み、迷いながらも成長していく若者たちの姿が、あなたの心に何を残すのか?青春の煌めきと苦悩が詰まった物語。
ココがおすすめ
- キラキラ青春
- 明るくて、切ない
- 日常に飽きてしまったあなたへ
個人的に、伊坂作品のなかで一、二を争うほど好きな作品です。
もう二度と取り戻せない、大学生の日常。眩しいほどの煌めきを感じる一方で、どこか切なさも感じてしまいます。
麻雀や合コンに勤しみながら、一瞬で過ぎてしまう日常を颯爽と駆け抜けていく主人公たち。「若気の至り」とも言える溢れんばかりのエネルギーを使って犯罪者だって追いかけちゃう彼らを見て、"あの頃"を思い出しつつ、社会人になった今の自分の明日もちょっぴり楽しみになるような作品です。
次に読むなら
『アヒルと鴨のコインロッカー』
同じく大学生の青春を感じられる作品!
逆ソクラテス
初版 | 2020年 |
ページ | 336P |
出版社 | 集英社文庫 |
受賞歴 | 第33回柴田錬三郎賞 |
あらすじ
学力も運動も普通の小学6年生の僕は、ある日、転校生の安斎から突拍子もない作戦を提案される。カンニングから始まったその作戦は、クラス全員や担任の先生を巻き込んで、思いもよらない展開へ。
果たして、この逆転劇は成功するのか?
ココがおすすめ
- 子どもから見た大人の常識
- 固定観念を覆される短編集
- 大人になってしまったあなたへ
子どもが主人公の短編集。大人になるにつれて忘れてしまった疑問や、見ないふりをしていることを、子どもならではの無垢な視点と好奇心で遠慮なく突っついてくれます。
子どもの視点なので、冒険譚のようなワクワク感も味わえる点も魅力。
「私は、私がそれを知らないことを知っている」という言葉で知られるソクラテスの「無知の知」。じゃあその逆、「逆ソクラテス」って?
表題作に限らず、作品のタイトルにも注目しながら読んでみてください!
次に読むなら
『砂漠』
固定概念を疑うという共通点!
陽気なギャングが地球を回す
初版 | 2003年 |
ページ | 400P |
出版社 | 祥伝社文庫 |
メディア | 映画 |
あらすじ
個性豊かな4人のプロが集まり、完璧な銀行強盗を計画する。
しかし、順調だったはずの計画は、別の襲撃犯に横取りされるという思いがけないトラブルによって一転する。さらには仲間の子どもに黒い影が迫り……。
果たして彼らは、この窮地を切り抜けられるのか?
ココがおすすめ
- 「陽気なギャング」シリーズ第1作
- 史上最強の強盗4人組
- 伊坂幸太郎ブームの火付け役
特殊な能力を持った4人の強盗が活躍する『陽気なギャング』シリーズの原点。強盗といっても"悪の組織"といった暗さはなく、いつも明るくユーモアたっぷりの会話が飛び交います。
- 成瀬:人間の嘘を見抜く
- 響野:演説のプロ
- 久遠:スリの天才
- 雪子:超正確な体内時計
小気味よいテンポで進んでいくものの、終盤ではしっかりと伏線が回収され、ミステリーとしても完成度の高い作品だと気付かされます。
読み終えたときには、また4人に会いたくなって、少し寂しくなってしまうはず!
次に読むなら
『陽気なギャングの日常と襲撃』
シリーズ第2作!
伊坂幸太郎の作風は?4つの特徴を紹介
最後に伊坂幸太郎さんがどのような作家なのか、4つの特徴を簡単に紹介します!
- 複数の視点から描かれる群像劇
- ユーモアのある会話
- フィクションとリアリティの融合
- 音楽や映画へのオマージュ
複数の視点から描かれる群像劇
伊坂幸太郎さんの小説は、複数の登場人物の視点から描く「群像劇」という構成が用いられている作品が多くあります。
主人公にスポットを当て、それを取り巻く人々という見方で脇役を描くスタイルの劇ではなく、登場人物一人一人にスポットを当てて集団が巻き起こすドラマを描くスタイルの劇のこと。
実用日本語表現辞典
一見無関係に見えるキャラクターや出来事が、次第につながり、最終的にひとつの大きな物語として収束していきます。
具体的には『グラスホッパー』や『ラッシュライフ』が代表的です。
ユーモアのある会話
伊坂作品にはユーモアが多く盛り込まれており、登場人物たちの会話を読んでいるだけでも心を躍らされます。
また、『砂漠』や『重力ピエロ』などの作品では、ユーモアのなかにシニカルな視点も同居。人生や社会の不条理を描く際にも軽やかでコミカルな語り口調で進めることが多く、そのバランス感覚が絶妙です。
フィクションとリアリティの融合
日常的な世界観の中に、ファンタジー的な要素や奇妙な設定が自然に取り込まれている点も魅力。『死神の精度』では主人公が死神ですし、『オーデュボンの祈り』では未来が見えるカカシが登場します。
それでも物語のリアリティは失われず、非現実的な要素があるからこそ、普段とは違った視点から現実を直視できます。
音楽や映画へのオマージュ
『ゴールデンスランバー』がビートルズの『Golden Slumbers』をもとにしているように、伊坂作品では実在する音楽や映画が多く登場します。
サブスクで聴いたり、観たりできる時代なので、引用されている作品もチェックしながら読んでみるのもおすすめですよ。
伊坂幸太郎初心者が最初に読むべき10作品【原作・短編・シリーズetc】:まとめ
今回は最初に読むべき伊坂幸太郎作品10選を紹介しました。
どれから読んでも面白く、シリーズ作品であっても順番通りに読まなくてはいけないという決まりはありません!
ぜひ気になった作品から手にとってみてください!
Instagramでもおすすめの小説を紹介しています。
もしよければ覗いてみてください!