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『この闇と光』服部まゆみのあらすじと感想【盲目の王女】

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『この闇と光』がおすすめの人

中世ヨーロッパの世界観が好き

美術に関心がある

『罪と罰』を読んだことがある

 

今回は服部まゆみさんの『この闇と光』のあらすじや感想を紹介します。

これから読む人向けに、ネタバレなしでの解説になっていますので、安心して読み進めてください。

 

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『この闇と光』のあらすじ・登場人物

登場人物

■レイア

  • 王女
  • 事故で母を亡くし、レイアは盲目に
  • 国を奪われた国王(父)と別荘で暮らす

■父

  • 国王
  • 国を取り戻すために画策中
  • 城下に行くとレイアにプレゼントを買ってくる

■ダフネ

  • レイアの身の回りを世話するお手伝いさん(?)
  • レイアを殺そうとしている(?)
  • 他の国の言葉を話す

 

ネタバレ厳禁

正直、この作品をどうやって紹介すれば良いのかわかりません。

何を言ってもネタバレになるんです。

僕は文庫の裏のあらすじだけ見ましたが、それすらも読まなきゃ良かったとちょっと後悔しています。

なので、あなたには前情報なしで読んでほしい。

だから今回は、いつも以上にネタバレに配慮して、本当に少しだけあらすじを書きます。

 

主人公は、盲目の王女・レイア。

国を奪われた国王(父)とともに、別荘で過ごしています。

この国では、盲目は「魔女」の証。レイアの存在がバレると殺されてしまいます。

 

なのでレイアは、別荘のなかでもさらに限られた空間に隔離されています。

そんなレイアにとって、父は唯一の話し相手。

レイアはダフネを恐れていて、父がいない時間が怖くて仕方ありませんでした。

 

でも父は、国を取り返すために度々出かけてしまいます。

なのでレイアは、指でなぞって本を読みながら父の帰りを待つのが日課でした。

 

盲目の王女が部屋に閉じ込められ、物語に心を躍らせる。ヨーロッパを舞台にしたおとぎ話のような設定ですね。

だけど……。

 

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『この闇と光』の見どころ・キーワード

『この闇と光』の見どころ・キーワード

舞台は?【ゴシック】

おそらくこの本を開いたすべての方が、このような疑問を抱くと思います。

「この舞台はいつ?どこ?」

「国王」「城下」といったワードを聞くと、中世ヨーロッパを想像します。

では、ダフネや兵士が話す「他の国の言葉」とは?

 

また、後述していますが、中世ヨーロッパにしてはレイアが触れる物語が日本すぎる気が……。

それに、レイアが使っている「テープ」や「CD」、父が使う「車」……。

このように、舞台がなかなか掴めない。。。

 

だけど、この「わからない」こそ、この作品を読むポイント!

みなさんも舞台がどこなのか想像しながら読んでみてください!

 

ドストエフスキー『罪と罰』

盲目のレイアは、父に朗読してもらったり、指でなぞって読んだりして、たくさんの物語に触れます。

実在する作品が用いられているということは、何らかの理由があるはずなので、それぞれの物語がどんな意味を持つのかを考えながら読むのがおすすめ!

 

特に、ドストエフスキーの『罪と罰』は度々登場します。僕は『罪と罰』をまだ読んでいないので、読んでから再び『この闇と光』を読み返したいと思っています!

下の作品を読んだことがある方は、『この闇と光』をより楽しめるはずです。

 

レイアが触れた物語

  • 赤頭巾
  • 蛙の王様
  • いばら姫
  • 白雪姫
  • ラプンツェル
  • ピーターラビットとなかまたち
  • 長靴をはいた猫
  • サンドリヨン
  • 小公子
  • 小公女
  • 青髭
  • 嵐が丘
  • デミアン
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『この闇と光』の感想

『この闇と光』の感想

読みやすさ★★★前半はすごく読みやすい!
驚き★★★★後半が……
結末のスッキリ度★★★解釈のわかれる結末
人物の魅力★★★レイアと父の関係が好きだった…
文章の美しさ★★★★盲目のレイアが感じた世界の描写が好き
テーマ性
メッセージ性
★★★闇と光とは……
難解度★★★美術や音楽の素養があれば…
個人的な理解度★★★知らない作品も多くて…
おすすめ度★★★★ぜひ読んでほしい!

 

まず、この作品はまったくネタバレをせずに感想を書くのは不可能です笑
最大限配慮して書きますが、前情報無しに読みたい方はここで読むのをやめてください!

 

・・・

 

では、書きますね。

まず僕がこの作品を手にとったきっかけは、「どんでん返し」というテーマで小説を紹介したときにフォロワーさんにおすすめしてもらったことです。

なので本を開くまでは、がっつりミステリだと思ってたんですよ。

 

だけど読み進めていくと、おとぎ話のような物語でした。

なんとなく想像と違うなあと読み進めていったら、驚愕の真相が待っていました。

 

言ってしまえば、後半は解決編のような感じで、前半がなぜおとぎ話のような世界観だったのかの理由がわかります。

まず、そこが1つ目の驚きでした。

 

でも、この作品はただの「驚き」で終わりません。

前半と後半を比較しながら読むと、「闇」と「光」に対する解釈が変わっていくんです。

ここからはさらにネタバレがあるのでご注意ください。

 

・・・

 

まず僕たちにとって、どちらかと言うと「光」が日常で、「闇」が非日常ですよね。

でも盲目のレイアにとっては、「闇」が日常で、「光」が非日常です。
闇のなかにいるからこそ、耳や指から得る物語への集中力や理解度が高い。光に敏感。

また、光に対する憧れも抱いているでしょう。

 

では、そんなレイアの日常が光になったら、闇のなかから見たような輝きを見られるのでしょうか。

後半は、そんなことを考えながら読んでいました。

 

そして、最終的な解釈は読者のなかでもわかれるみたいです。

 

ネタバレを気にしながら感想を書くって難しいですね。

読んだ方向けの感想も、何らかのカタチで書いてみようかな。

 

『この闇と光』の概要と服部まゆみさんのプロフィール

この闇と光の概要

服部まゆみさんのプロフィール

生年月日1948年10月14日- 2007年
デビュー作『時のアラベスク』(1987年)
代表作『この闇と光』(1998年)
受賞歴第7回横溝正史賞大賞(1987年)

 

『この闇と光』服部まゆみのあらすじと感想:まとめ

今回は服部まゆみさんの『この闇と光』を紹介しました。

『罪と罰』を読んでから、読み返したい!

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  • この記事を書いた人

りき

年間150冊読むミステリーが好きな20代男です。 Instagramを中心に好きな本を紹介しています! ありがたいことに3,000人以上の方にフォローしていただいています。もし良ければ覗いてみてください!

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