『どちらかが彼女を殺した』がおすすめの人
クイズや謎解きが好き
ミステリーの犯人当てが得意
斬新なミステリーを読んでみたい
今回は東野圭吾さんの『どちらかが彼女を殺した』のあらすじ・見どころ・感想を紹介します。
ひとことで言うなら、真相解明が読者に託された推理ミステリー!
ネタバレなしで紹介するので、安心して読み進めてみてください。
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『どちらかが彼女を殺した』のあらすじ・登場人物
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舞台 | 愛知、東京 |
時代 | 1990年代 |
登場人物
■和泉 園子
- 東京在住のOL
- 電気コードでショック死した状態で兄に見つかる。
- 死の間際、親友と恋人に裏切られる。
■和泉 康正
- 園子の兄。
- 豊橋署の交通課で働く警察官。
- 復讐のために、証拠を回収。独自調査へ。
■弓場 佳世子
- 容疑者の一人
- 園子の親友
- 潤一と浮気
■佃 潤一
- 容疑者の一人
- 園子の元恋人
- 佳世子と浮気
■加賀恭一郎
- 練馬署の刑事
- 康正が何か隠していると感じる
一人暮らしのOL・和泉園子が遺体で見つかった。第一発見者は、警察官の兄・和泉康正。鍵が施錠されていたことから、警察は自殺の可能性が高いと判断します。
しかし実は、殺人の証拠は康正が回収していました。なぜなら、殺人犯として逮捕されても、刑務所に入るだけだから。康正は証拠を回収して自殺に見せかけ、自分の手で殺せるまで犯人が逮捕されないようにしたのです。
そして康正は、回収した証拠をもとに、証拠をもとに独自に調査し、2人の容疑者にたどり着きます。
容疑者は、なんと園子の元恋人・佃潤一と、親友・弓場佳世子。康正は、園子との最後の電話で「お兄ちゃん以外、信じられなくなっちゃった」と相談されたことから、園子が2人に裏切られた可能性を探ります。
しかし、なかなか決め手となる証拠を見つけられません。そんななか、練馬署の加賀刑事だけは、康正の工作に気付き始め、、、
『どちらかが彼女を殺した』の見どころ・キーワード
犯人当てミステリー
『どちらかが彼女を殺した』というタイトルにもある通り、2人の容疑者のどちらが真犯人なのかを探るミステリーです。
ラストにはミステリの常識を覆す仕掛けが施されているのですが、それによって読者はかなり頭を悩まされることになります、、、
仕掛けについて明言するのは避けますが、講談社文庫のあらすじや帯などから言葉を借りると、「犯人当て」「真相を解明するのはあなた」。そんな作品です。
普段からミステリーの謎を解いたり、犯人を予想しながら読んだりするのが好きな方にとっては、たまらない一冊になっています!
推理の手引き(袋とじ解説)
『東野圭吾公式ガイド 作家生活35周年ver. 』(講談社文庫)に掲載されているインタビューによると、『どちらかが彼女を殺した』のラストの仕掛けについて、たくさんのお問い合わせがあったそうです。
なので文庫版では、より多くの方にわかりやすいように、西上心太さんによる『推理の手引き』が掲載されています。
真相にたどり着くためのヒント(ほぼ答え)が書かれているので、「謎解きよりも普通に物語を楽しみたんだよね……」という方でも楽しめるはず!
加賀恭一郎シリーズ
『どちらかが彼女を殺した』は、加賀恭一郎シリーズの第三作品目。
加賀恭一郎シリーズは、設定など多少のつながりはあれど、物語としては独立しています。なので、どこから読んでも面白い!
とはいえ、2023年9月に新作が刊行されるので、この機会にイチから読むのもおすすめです
- 『卒業』
- 『眠りの森』
- 『どちらかが彼女を殺した』
- 『悪意』
- 『私が彼を殺した』
- 『嘘をもうひとつだけ』
- 『赤い指』
- 『新参者』
- 『麒麟の翼』
- 『祈りの幕が下りる時』
- 『希望の糸』
- 「あなたが誰かを殺した」9月発売!
『どちらかが彼女を殺した』の感想・印象的な文章
意地でも解きたかった
「犯人当てミステリー」
それはすなわち、著者・東野圭吾さんから読者への挑戦状だと思っています。東野圭吾さんが好きだからこそ、絶対に負けたくありませんでした。
なので、僕は「推理の手引き」も読まず、ネットのネタバレも避けながら、何度も何度も読み返して真相にたどり着きました!
僕は、もともとミステリーの真相に気付くのが苦手で、「どんでん返し」系には十中八九騙されるので、特別推理力があったわけではありません。
推理が得意な方なら、読み返さなくても解けるのではないでしょうか。
真相に気づけた達成感は、これまで読書で味わったことのないものでした。ぜひみなさんにも味わってほしいです!
賛否両論のある結末
『どちらかが彼女を殺した』の最大の特徴は、ラストの仕掛けですが、これには賛否両論があるみたいです。
たしかに「真相を解明するのはあなた」と読者に投げられているので、「いやいや、真相を教えてよ」という方にとっては好ましくない結末なのかもしれません。
だけど、僕は大好きでした!これだけ多くの小説が刊行されているなか、次々と新たな仕掛けを生み出す作家さんたちって本当にすごいですよね。
『どちらかが彼女を殺した』なんて、25年ほど前の作品なのに、いまだに「斬新」です。
東野圭吾さんも「ミステリ界にケンカを売りたかった」と語っているようなので、賛否両論も狙い通りなのかもしれませんね。
ミステリーの楽しみ方が広がった
僕は、物語の展開を予測するのがすごく苦手です。「うわっ騙されたっ」と思った小説でも、ネットで感想を見ると「展開が読みやすい」って書いていたり……。
ただ『どちらかが彼女を殺した』を読んで、「苦手」なのではなく、「考えなさすぎ」だったなと感じました。
すらすら読みすぎちゃって、展開を予想する脳の余白がない。新しい謎が出てきたら、その前の謎をもう忘れている。
思い返してみると、そんな読み方だったんです。なので、『どちらかが彼女を殺した』で一つひとつの謎を掘り下げる体験をしたことで、ミステリーの新たな楽しみ方に気づけたんです。
(「新たな」というか、それが本来の楽しみ方なのかもしれません笑)
僕と同じように、ミステリーを「著者→自分」の一方向的なエンタメだと思っていた方は、ぜひ『どちらかが彼女を殺した』で双方向のコミュニケーションを楽しんでみてください。
きっとよりミステリーの沼にハマっていくはずです!
『どちらかが彼女を殺した』と東野圭吾さんの基本情報
東野圭吾さんのプロフィール
生年月日 | 1958年 |
デビュー作 | 『放課後』 (1985年) |
受賞作 | 『秘密』:第52回日本推理作家協会賞 『容疑者χの献身』:第134回直木賞など |
『どちらかが彼女を殺した』のあらすじ・感想:まとめ
今回は東野圭吾さんの『どちらかが彼女を殺した』をあらすじ・見どころ・感想を紹介しました。
これを読み終えた方は、加賀恭一郎シリーズの四作目『悪意』がおすすめ!