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『ようこそ、わが家へ』池井戸潤のあらすじ・感想【身近に潜む恐怖】

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『ようこそ、わが家へ』がおすすめの人

家族と一緒に住んでいる
職場にイヤな上司がいる
今日、街で誰かとぶつかった

今回は、池井戸潤さんの『ようこそ、わが家へ』のあらすじと感想を紹介します。

ネタバレに配慮していますので、まだ読んでいない方も安心してご覧ください!

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『ようこそ、わが家へ』のあらすじ

あらすじ

登場人物

  • 倉田家
    • 倉田太一:主人公。銀行からナカノ電子部品に出向中。
    • 倉田珪子:妻。
    • 倉田健太:長男。大学生。
    • 倉田七菜:長女。高校生。
  • ナカノ電子部品
    • 西沢摂子:倉田の部下。経理担当。
    • 真瀬:営業部長。不正の疑い。
    • 持川:社長。真瀬に協力?
  • ストーカー

 

この作品は、些細なきっかけでストーカーに悩むようになった家族の物語。でも、ストーカーに遭うのは特別キレイな女性でも、有名な男性芸能人でもありません。
妻と息子、娘と暮らす"普通のお父さん"がストーカーの被害に遭うんです。

 

きっかけは、駅のホームで割り込みを注意したこと。
たったそれだけで、男が家までついてくるようになり、花壇が荒らされ、ポストに子猫を入れられ、車が傷つけられ、盗聴器が見つかり、、、
幸せに過ごしていたはずの家族が恐怖のどん底に突き落とされます。

 

さらには、職場にも"敵"が出現。
倉田は営業部長が不正をしていることに気付きますが、なぜか社長を味方に付けていて倉田が謝罪をすることに。
次々と浮かぶ疑惑に、倉田は立ち向かっていきます。

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『ようこそ、わが家へ』の見どころ・キーワード

見どころ・キーワード

リキ
ここを抑えるともっと楽しめる!
  • 主人公は普通のおじさん
  • "名無し"の恐怖
  • 池井戸潤作品らしい勧善懲悪逆転劇

主人公は普通のおじさん

この物語の面白いところは、ストーカーの被害に遭う主人公が"普通のおじさん"であること。どれだけ"普通"であるかが伝わる印象的な文章を紹介します。

ちゃんと就職して、真面目一辺倒に働く。
そこそこ仕事はできるけど、それ以上でもそれ以下でもなく、リーダーに据えるには何かひとつ物足りない性格。
堅実で面白みがなく、暴力は反対。
「世界人類が平和でありますように」という電信柱の貼り紙に、なんとなくうなずいてしまうキャラクター。

特別優れた容姿を持っているだとか、知名度があるわけでもありません。良くも悪くもどこにでもいるお父さんです。つまり、自分自身にも同じような被害が起きるという恐怖を感じるんです、、、

日常のちょっとした行動がストーカー被害につながり、自分も家族も追い込んでいく。その"身近な恐怖"こそ、この作品の魅力の一つ!

 

"名無し"の恐怖

この作品では、ストーカーを"名無しさん"と表現しています。倉田は駅の割り込みを注意した際になんとなく顔を見ていますが、まさかストーカーに遭うなんて思ってないのでそれほどしっかりとは見ていません。なので、相手の顔すらわからない、名無しの人。

でもその名無しさんは、倉田の顔も、名前も、家族構成も、帰宅時間も、すべて知っています。名前を知られていない"匿名"を武器に、好き勝手暴れるストーカーが怖すぎる、、、

さらにそのストーカーにも日常があって、"名無し"ではなく、〇〇さんとして生活している時間もある。会社のあの人や近所のあの人も、誰かにとっての"名無しさん"なのかもしれません。

 

池井戸潤作品らしい勧善懲悪逆転劇

『半沢直樹』が代表するように、池井戸潤作品では不正に立ち向かう逆転劇がよく描かれます。『ようこそ、わが家へ』もその一つ。

交通費の二重請求に気づいたことをきっかけに、真瀬に次々と疑惑を抱き始めるのですが、なぜかあと一歩のところで挽回されてしまいます。

真瀬一人ではひっくり返せない状況でも、次に会うとなぜか解決している。その裏には、社長の姿があり、、、

 

『ようこそ、わが家へ』の感想

感想

 

ありふれた日常が、ストーカーと職場の敵の出現によって失われていく物語。

ストーカーも会社の不正も、正直自分とは遠い世界に思ってました。この作品の主人公と同じように。

ストーカーされるほど好かれている自覚もなければ、憎まれている自覚もありません。

 

でも主人公は、駅で注意するという何気ない行動だけで、家族を巻き込むほどのストーカー被害に遭うようになります。

つまり、僕も、みなさんもその可能性があるということ。

 

"普通"の顔をして歩いているあの人も、もしかしたらストーカーになりうるかもしれない。

いや、もっといえば、自分も?なにかの糸がプチンと切れたら、"名無しさん"になってしまうのかもしれません。

(そうではないはずですし、そうではないと思いたいですが)

 

そんな感じで、無縁だと思っていたものが身近な恐怖になる、じりじりと近づいてくる恐怖をお楽しみください!

 

リキ
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『ようこそ、わが家へ』の作品情報

ようこそ、わが家へ

著者池井戸潤
出版社小学館
初版2013年7月10日
ページ数445P
ジャンルミステリ
サスペンス

池井戸潤さんのプロフィール

生年月日1963年6月16日
デビュー作『果つる底なき』(1998年)
受賞歴『下町ロケット』第145回直木三十五賞(2011年)など

『ようこそ、わが家へ』池井戸潤のあらすじ・感想:まとめ

今回は池井戸潤さんの『ようこそ、わが家へ』を紹介しました!

次は『シャイロックの子どもたち』を読みたいなあ

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  • この記事を書いた人

りき

年間150冊読むミステリーが好きな20代男です。 Instagramを中心に好きな本を紹介しています! ありがたいことに3,000人以上の方にフォローしていただいています。もし良ければ覗いてみてください!

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