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加賀恭一郎シリーズを読む順番は?全作品あらすじ&感想【東野圭吾】

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この記事で解決できるお悩み

加賀恭一郎シリーズって何?
どの順番で読めばいいの?
作品ごとのつながりはある?

結論、東野圭吾さんの加賀恭一郎シリーズは、どこから読んでもOK。ただし、時系列で読んだほうが120%楽しめます!

それぞれの物語は独立しているものの、主な登場人物は同じなので、イチから読み進めることで一人ひとりのストーリーまで理解できます。

この記事では、加賀恭一郎シリーズ全作品のあらすじと感想をネタバレなしで解説!気になった作品があれば、そこから読み始めるのもアリ!

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東野圭吾『加賀恭一郎』シリーズのおすすめの順番

加賀恭一郎時系列

加賀恭一郎シリーズは時系列で読むのがおすすめ!

  1. 『卒業』(1986年刊行)
  2. 『眠りの森』(1989年)
  3. 『悪意』(1996年9月)
  4. 『どちらかが彼女を殺した』(1996年6月)
  5. 『私が彼を殺した』(1999年)
  6. 『嘘をもうひとつだけ』(2000年)
  7. 『赤い指』(2006年)
  8. 『新参者』(2009年)
  9. 『麒麟の翼』(2011年)
  10. 『祈りの幕が下りる時』(2013年)
  11. 『希望の糸』(2019年)
  12. 『あなたが誰かを殺した』(2023年)
リキ
『悪意』と『どちらかが彼女を殺した』は、刊行順と時系列が逆だから注意!

 

各作品のつながりはある?

物語としては独立しています。ですが、『卒業』では大学生だった加賀恭一郎が、『眠りの森』から警察になり、昇進や異動をしていくので、時系列のつながりはあります。

また、加賀恭一郎と家族との関係性なども徐々に変わっていくので、『卒業』から読んだほうが理解しやすいかも。。。

とはいえ、フォロワーさんから「『赤い指』から読みました!」といったDMも何度かいただいていて、好きなところから読んで『卒業』から読み直すという方も多いみたいですよ。

 

加賀恭一郎シリーズ①『卒業』

加賀恭一郎卒業

アパートの一室で、女子大生の牧村祥子の遺体が見つかった。現場の状況から自殺だと推測されたが、徐々に他殺の可能性が高まっていく。

牧村の友人である加賀恭一郎ら6人は、事件の報告も兼ねて恩師の家に集まるも、そこで行った茶道「雪月花之式」の最中に二人目の被害者が生まれ……。

ココがおすすめ!

  • 加賀恭一郎シリーズの原点
  • シリーズ屈指の緻密なトリック
  • 100万部を超える超人気作

トリックに茶道の「雪月花之式」が用いられており、当初は『卒業―雪月花殺人ゲーム』というタイトルで発売されていました。個人的にはあまり茶道には馴染みがなく、最初は雪月花之式のルールへの理解に苦労したのも正直なところ。

ただ、要所でイラストを用いた解説が掲載されているので、注意深く読んでいればしっかりと理解できますよ。

加賀恭一郎シリーズの原点でありながら、異色とも言える本格的な推理小説です。

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加賀恭一郎シリーズ②『眠りの森』

加賀恭一郎眠りの森

「高柳バレエ団」の事務所で男性が殺された。被疑者・斎藤によると、男性が襲いかかってきたため、無我夢中で抵抗したところ、気づけば男性が息を引き取っていたらしい。

斎藤とバレエ団は正当防衛を主張するが、加賀恭一郎ら警察の捜査によって不審な点が見つかり……。

ココがおすすめ!

  • 刑事になった加賀恭一郎
  • 若き加賀の恋模様

大学卒業後、中学教師を経て、警察官になった加賀恭一郎。捜査の一環として、事務所に出入りしたり、バレエを観劇したりするうちに、女性団員に惹かれていきます。

『東野圭吾公式ガイド』によると、東野圭吾さんが作家としてステップアップするために「全く関心のないこと」を勉強すると決意し、1年間クラシックバレエの観劇に通った末に生まれた作品だそうです。

その経験が反映されているのか、加賀恭一郎が無縁だったバレエを基礎から学び、その魅力に惹かれていく姿も描かれています。そのため、バレエが身近ではない読者も、加賀恭一郎とともにバレエへの理解を深めながら読み進められます。

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加賀恭一郎シリーズ③『悪意』

加賀恭一郎悪意

人気作家の日高が仕事場で殺された。日高の親友であり、第一発見者の小説家・野々口は、手記に事件前後の状況をつづっていたが、その文章を見た加賀恭一郎は違和感を覚える。

やがて犯人は逮捕されるものの、決して動機を語ろうとせず……。

ココがおすすめ!

  • フーダニットとホワイダニット
  • 人間の悪意を掘り下げる

全体が手記や独白文などの記録形式で構成されている一冊。『悪意』というタイトル通り、人間の奥に潜む醜悪な部分が描かれています。

1996年の作品でありながら、描かれている「悪意」は、SNS社会である現代にも共通してるのではないでしょうか。

とにかく人に不快感を与えることで歓びを得ようとしているにすぎず、どこかにそのチャンスがないものかといつも目を光らせているのだ。したがって相手は誰であってもいいわけだ。

『悪意』東野圭吾―講談社文庫より

そして、眠りの森では描かれなかった、加賀恭一郎が教師をやめて警察になった理由も描かれています!

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加賀恭一郎シリーズ④『どちらかが彼女を殺した』

加賀恭一郎どちらかが彼女を殺した

「裏切られちゃったんだ」

豊橋署に務める和泉は妹の遺体を発見するも、最後に電話したときの様子や現場の状況から、自殺に偽装した他殺だと確信する。しかし犯人が逮捕されてしまうと自らの手で復讐できないため、他殺の証拠となるものを回収し、自殺に見せかけることに。

妹を殺した容疑者は二人。どちらかが彼女を殺した。

ココがおすすめ!

  • 犯人を突き止めるのは読者
  • 「推理の手引き」も収録

この作品では加賀恭一郎や和泉が「案内役」となり、事件の証拠を集めていきます。そして最後に犯人を特定するのは読者に委ねられるのです。

僕は巻末に収録されている「推理の手引き」を読んで、やっと事件の真相に気づけました。あなたはこの事件を解決する自信がありますか?

ぜひチャレンジしてみてください!

どちらかが彼女を殺したアイキャッチ
『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾のあらすじ・感想【探偵は読者】

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加賀恭一郎シリーズ⑤『私が彼を殺した』

加賀恭一郎私が彼を殺した

脚本家の穂高が結婚式当日に毒殺された。その前日、彼の"交際相手"である女性が服毒自殺をしていたことから、穂高に裏切られたと感じた彼女による無理心中だと考えられた。

しかし捜査の結果、彼女が穂高に毒を飲ませるのは不可能だと判明。さらなる捜査により、三人の容疑者が浮上する。

彼らはそれぞれこう思っていた。

「私が彼を殺した」のだと――

ココがおすすめ!

  • 『どちらかが彼女を殺した』に続く"推理"小説
  • 手がかりは毒入りカプセル

犯人当てシリーズの第二弾。『どちらかが彼女を殺した』では容疑者が二人でしたが、本作では三人に増えており、難易度が高くなっています。

とはいえ、個人的には本作のほうが簡単に解けました。『どちらかが彼女を殺した』で事件を解決できたあなたなら、きっと今回の事件も解決できるはず!

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加賀恭一郎シリーズ⑥『嘘をもうひとつだけ』

加賀恭一郎嘘をもうひとつだけ

バレエ団の事務員の女性が自宅マンションから転落死した。現場の状況から自殺だと推測されたが、加賀恭一郎は同マンションに住むバレリーナを疑っていた。

加賀恭一郎は、彼女に罪を認めさせるために、ある罠を仕掛ける――

ココがおすすめ!

  • シリーズ初の短編集
  • 五編の共通点は"嘘"

表題作の「嘘をもうひとつだけ」を含めた五作品が収録された短編集。表題作以外の四作品でも、さまざまな思惑による"嘘"が描かれています。

「嘘を隠すには、もっと大きな嘘が必要になる。」

『嘘をもうひとつだけ』東野圭吾―講談社文庫より

人間は何のために嘘をつくのか、そして嘘を重ねた先に待つものは?

短編でありながら、加賀恭一郎シリーズならではの人間ドラマも楽しめる満足度の高い一冊です。

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加賀恭一郎シリーズ⑦『赤い指』

加賀恭一郎赤い指

「すぐに帰ってきてほしい」

昭夫のもとに妻・八重子からかかってきた一本の電話。急いで自宅に帰ると、そこには少女の遺体があった。どうやら息子の直巳が殺してしまったらしい。昭夫はすぐに通報しようとしたものの、八重子に懇願され、事件の隠蔽を決意する。

警察に次々と証拠を見つけられていることを感じた昭夫は、家族のために道理に背いた決断を下す。

ココがおすすめ!

  • 一万人が選んだ東野圭吾作品ランキング第8位
  • タイトルに隠された真実

「家族愛」を描いたシリーズ屈指の感動作。僕のフォロワーさんのなかでも人気が高く、『東野圭吾公式ガイド』に掲載の人気ランキングでも第8位に入っています。

「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」

『赤い指』東野圭吾―講談社文庫より

加賀恭一郎と病床に伏す父親の関係性にも触れられています。加賀恭一郎が見舞いに行かない理由とは?

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加賀恭一郎シリーズ⑧『新参者』

加賀恭一郎新参者

マンションで見つかった一人暮らしの女性の絞殺死体。日本橋署に異動してきた"新参者"の加賀恭一郎は、煎餅屋や料亭、時計屋などで江戸情緒残る街の人々と関わりながら、事件解決の糸口を掴んでいきます。

ココがおすすめ!

  • 大切な人を守るためについた嘘
  • 一万人が選んだ東野圭吾作品ランキング第4位

下町情緒あふれる日本橋を舞台にした連作短編集。日本橋署に異動した加賀恭一郎は、観察眼を活かして地域住民たちと親密な関係を築いてきます。

「事件で傷ついた人がいるなら、救い出すのも私の仕事です」

『新参者』東野圭吾―講談社文庫より

殺人などの凶悪な事件を扱いながらも、下町ならではの人間の温かさにも触れられる一冊です。

加賀恭一郎シリーズで初めて実写化された作品でもあり、その後の実写化作品も含めて『新参者』シリーズと呼ばれることも。

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加賀恭一郎シリーズ⑨『麒麟の翼』

加賀恭一郎麒麟の翼

巡査が日本橋の上で倒れている男性を発見。男性はナイフで刺されており、なんとか日本橋にたどり着いて息絶えた。

犯人逮捕のために、被害者が瀕死の状態で移動した理由を探る加賀恭一郎は、生前に男性が「七福神巡り」をしていたことを知る。しかし、被害者遺族にも加賀恭一郎にも、その目的に心当たりがなかった。

「私たち、お父さんのこと何も知らない」

ココがおすすめ!

  • 『赤い指』と『新参者』のハイブリッド
  • タイトルに隠されたメッセージ

『赤い指』では家族愛、『新参者』では下町の人情が描かれ、そして『麒麟の翼』ではその集大成のように人間のさまざまな"情"が描かれています。

ナイフで刺されながらも日本橋の「麒麟の像」まで歩いた理由とは?そこには、親子だからこそ伝わるメッセージがありました。

そして文庫の帯には、「この謎を解けるのは、加賀恭一郎しかいない。」という言葉が…そのワケとは?

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加賀恭一郎シリーズ⑩『祈りの幕が下りる時』

加賀恭一郎祈りの幕が下りる時

アパートで押谷道子の絞殺遺体が見つかり、住人である男性も行方不明となっていた。捜査にあたった松宮は、周辺で起きたホームレス焼死事件との関連を疑うなかで、道子が中学の同級生である浅居博美を訪ねていたことを突き止める。

博美について調べていくと、なんと彼女は松宮の従兄弟である加賀恭一郎の知り合いだった。加賀恭一郎は、ある遺品の情報を聞いて激しく動揺し……。

ココがおすすめ!

  • 吉川英治文学賞受賞
  • 初めて明かされる加賀恭一郎の母の秘密

従兄弟の松宮が担当する事件の現場に、失踪した母とつながる情報があることを知った加賀恭一郎。これまでの作品では、比較的淡々と事件を解決してきた加賀ですが、本作では捜査に私情を持ち込めないという葛藤を抱え、冷静さを欠くシーンも見られます。

「シリーズ最大の謎」とも言われる、加賀恭一郎の家族の秘密。そして加賀恭一郎が日本橋署の「新参者」になった理由とは?

シリーズの転換点となる、非常に重要な作品です!

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加賀恭一郎シリーズ⑪『希望の糸』

加賀恭一郎希望の糸

喫茶店でオーナーの女性の遺体が見つかった。他殺であることは明らかだが、彼女は誰もが認める人格者であり、殺されるような恨みを買うとは考えられず、トラブルを裏付ける証言も出てこなかった。

そんななか彼女の元夫と常連客が捜査線上に浮かび上がる。しかし二人は、ともにアリバイがあり、動機もなかった。しかし突如、彼女を殺したという人物が表れ……。

ココがおすすめ!

  • 加賀恭一郎が脇役に?
  • 登場人物たちが必死に掴んだ「希望の糸」とは?

自分のもとを去った母の半生を知った加賀恭一郎(『「祈りの幕が下りる時」』)は、再び捜査一課に異動し、多くの部下を抱えることになります。日本橋署時に比べると現場から遠ざかったこともあり、本作では従兄弟である松宮の視点から描かれています。

加賀恭一郎は上司として松宮をサポートするものの、加賀の視点で描かれた作品が好きだった方にとっては少しさみしいかも?

とはいえ、松宮も加賀から刑事としての心構えを引き継いでいるため、シリーズとしての一貫性は保たれています。加賀恭一郎シリーズの新たな魅力に触れられる一冊です!

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加賀恭一郎シリーズ⑫『あなたが誰かを殺した』

加賀恭一郎あなたが誰かを殺した

閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。バーベキューパーティーの参加者15人のうち、5人が殺害された。

その直後、犯人はホテルのレストランでの食事を終えるとともに、ウエイターに血の付いたナイフを見せ、警察に通報するように告げた。犯人の自白で事件は解決に向かうはずだったが、犯人が動機などを語らないため、遺族たちは納得がいかず独自の「検証会」を開くことに。

加賀恭一郎は、知り合いに頼まれて、検証会に参加するも……。

ココがおすすめ!

  • 長期休暇中の加賀恭一郎が別荘地で……
  • 無差別殺人に隠された秘密

加賀恭一郎シリーズの最新作。シリーズの主役である加賀恭一郎が物語の中心に帰ってきます。しかし、本作の加賀は長期休暇中。あくまでも刑事としての経験を活かして、遺族たちの検証会をサポートする立場に過ぎません。これまでの作品とはまた違った角度から、加賀恭一郎の洞察力・推理力を伺えます。

『どちらかが彼女を殺した』と『私が彼を殺した』にタイトルが似ていますが、同じような"犯人当て"作品なのでしょうか。それは読んでからのお楽しみということで、、、

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東野圭吾・加賀恭一郎シリーズの読む順番:まとめ

  1. 『卒業』(1986年刊行)
  2. 『眠りの森』(1989年)
  3. 『悪意』(1996年9月)
  4. 『どちらかが彼女を殺した』(1996年6月)
  5. 『私が彼を殺した』(1999年)
  6. 『嘘をもうひとつだけ』(2000年)
  7. 『赤い指』(2006年)
  8. 『新参者』(2009年)
  9. 『麒麟の翼』(2011年)
  10. 『祈りの幕が下りる時』(2013年)
  11. 『希望の糸』(2019年)
  12. 『あなたが誰かを殺した』(2023年)
  • この記事を書いた人

りき

年間150冊読むミステリーが好きな20代男です。 Instagramを中心に好きな本を紹介しています! ありがたいことに3,000人以上の方にフォローしていただいています。もし良ければ覗いてみてください!

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